【ニュース】パソコン遠隔操作事件と虚偽自白
★前のブログから過去の記事を引っ越しました★
警視庁によると、男性は襲撃予告について、任意の捜査段階では当初容疑を否認。しかし、パソコンに幼稚園に送ったメールが残っていることを示されると「私がやりました」と一転して認め、逮捕された。
その後「同居の女性がやったと思い、かばっただけ」と否認に転じたが、取り調べが進むにつれ、再び逮捕容疑を認めたという。
誤認逮捕発覚という展開により、警察のずさんな捜査が明らかになりました。
ハイテク犯罪や経済犯罪といった特に専門性の高い分野については
警察の中でも特にそれを「専門」とする部門・人が対処するのが通常ですが、
その専門性は、実は警察官になってから初めて勉強したものだったりして
結構、お粗末なものだったりもします。
(もちろん全員がそうだというわけではないでしょう)
今回の事件は、コンピュータウイルスというハイテク犯罪に、
捜査機関がまだまだ追いついていないということを示しているでしょう。
でも個人的にこの事件でより注目すべきと考えるのは「虚偽自白」の存在です。
今回の「真犯人」が犯行声明で話していることが真実であるとすれば、
「真犯人」が遠隔操作により行った行為について「誤認逮捕」された方々は、
「自分がやった」という「自白」をしているのです。
昨今、冤罪が次々と明らかになっていますが、
残念ながら、未だ裁判官等は
「人は容易に虚偽の自白などしない」
と考えているのが通常です。
「暴力を振るわれたり恫喝されたりしなければ虚偽の自白などしない」
そう考えている裁判官は多いでしょう(たとえ無意識にであっても)。
ですからたとえ一度でも「自白」の供述調書が作成されてしまうと
それを裁判で覆すのは極めて困難になります。
今回誤認逮捕された方々は、
おそらく警察官や検察官から暴力を振るわれたわけではないでしょう。
でも「自白」をしていたのでしょう。
この事件を通じて、それほど容易に人は虚偽の自白をしてしまうのだということを
裁判官や捜査機関にも改めて認識してほしいです。
もちろん今後「裁判員」になるかもしれないすべての人にも・・・。
★追記(10月19日(金))★
日弁連からも会長声明が出されましたね。
日本弁護士連合会│Japan Federation of Bar Associations:パソコンの遠隔操作による脅迫メール事件等の取調べについての会長声明
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