弁護士ゆきこの事件簿

弁護士@東京。気ままに日々の雑感をつづります。

【研修】発達障がいと裁判員裁判

★前のブログから過去の記事を引っ越しました★

 

就労支援推進ネットワーク設立2周年記念シンポジウム

 「法曹界ユニバーサルデザイン

        ~発達障害者が安心して参画できる司法づくり~」

    ひとみのソーシャルライフ

先週土曜日、上記の企画に、参加させていただきました。

発達障がい(アスペルガー等)による「つまづき」を持っていらっしゃる方が、裁判員になった場合、どういう問題が生じてくるのか、ということを検証する目的で行われました。

聴覚障がいの方や視覚障がいの方等については、手話点字、といった観点から検討が重ねられています。

でも発達障がいという分野については、あまり検討が加えられていないように思われます。

恥ずかしながら、私自身、発達障がいについて、漠然とした知識はありましたが、具体的にはどのような「つまづき」があるのか、ほとんど知りませんでした。

 

今回、発達障がいの方に裁判員になっていただき、模擬裁判を実施して、意見交換をさせていただき、とても、勉強になりました。

結論として、基本的には、裁判員裁判をどうやったら分かりやすくできるか、ということを検討するときに、すでに問題になっていることと、問題となることはほぼ変わりませんでした。

たとえば、パワーポイントが分かりやすいのか、1枚のパネルの方がわかりやすいのか、質問の仕方はどういうものがわかりやすいのか。

こういったことは、これまでにも何度も議論されつつ結論の出ていないところです。

そういった問題点がより顕在化しやすいかどうか、ということだと感じました。

パワーポイントがあるとその印象がとても強くなる方、反対に、情報量が多すぎて、パワーポイントだと混乱してしまう方、一言で発達障がいといっても、「つまづき」方は人それぞれの個性があります。

また、「つまづき」そのものというより、むしろ、そういった「つまづき」を持つ方が裁判員に選ばれた際に、自分がどのような部分が苦手かを認識しているかどうか、ということが大きな問題のようです。

認識している方は、それに応じて、対処できますが、認識していない方だと、混乱してしまう方もいらっしゃるかもしれません。

どんな個性がある方が裁判員になったとしても、理解してもらえるような「ユニバーサルデザイン」の裁判員裁判、というのは、これからまだまだ検討が必要ですね。

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